2024年3月21日木曜日

丸SP 業務用に採用される

 丸SP(愛称:マルスピ)ウッドウイルのオリジナルスピーカー

20cmフルレンジオープンバッフル2.1chスピーカーが業務用途で採用されました。

















設置場所は古の温泉町、兵庫県「湯村温泉」のバスターミナル待合室。

吉永小百合が国民的人気を得たNHKのTV番組「夢千代日記」の舞台となった地です。

その地域を代表するバス会社のリニューアルされたホテルのロビーの様なお洒落な

待合室ではレコード演奏によるBGMを流して旅人を癒そうと計画とされました。

そのプロデュースは以下のお二方で進められました。


カートリッジ交換針製造大手の日本精機宝石工業(JICO)。

レコード愛好者の方は知らずにお世話になっている方が多いのでは。

レコード針、カートリッジ、アナログ製品の通販 | JICO 日本精機宝石工業株式会社

同社の本社は湯村温泉近くで同郷と言う事で相談を受けたそうです。

尚、同社は良質なレコード演奏を聞ける空間を今後各地に設ける予定だそうです。


もうひと方は、オーディオライターでジャズレコードの第一人者である田中伊佐資 氏。

具体的な装置選びは氏の豊富な専門的/商品知識により選択されます。

レコードプレーヤーはTechnics SL-1500C ダイレクトドライブでカートリッジと

イコライザーアンプが内蔵された製品。

丸SPシステムのパワーアンプRCA端子入力にそのまま接続できます。

レコード再生時以外にはBluetooth 5.0機能でスマホ等の内臓音源で再生出来ます。

つまり丸SPとSL-1500Cが有ればシステムが完成します。


ウッドウイルが氏のメインスピーカーシステムを受注してから19年程のお付き合い。

別件で訪問した時に持ち込んだ丸SPを氏は本気モードで数日間試聴されたとの事で、

このプロジェクトに相応しい「鳴りっぷり」と勧めていただきました。

オープンバッフル方式の抜けの良い音、適度な口径の20cmフルレンジユニットの

音像サイズ。広い空間に居る人々を小音量で音楽で満たす事が出来るのではとの事です。


バス会社の施主様は美しい音色に大変満足とのお言葉を頂いているとの事です。

2024年2月28日水曜日

20cmフルレンジオープンバッフル2.1chスピーカーシステム本格試聴

 「丸SP(仮名称:マルスピ)」ウッドウイルのオリジナルスピーカー

20cmフルレンジオープンバッフル2.1chスピーカーシステム。

Hi-Fiオーディオの音質を持ちながら居間や飲食店その他公共のBGM目的で開発の丸SP。

閉ざされたスピーカーは自らが自らを抑圧。そこから解放されるオープンバッフル方式。

ユニットの前面も背面にも音が広がるオープンバッフル方式。

BGM目的の寛ぎ癒しを再現するには小口径ユニットでは頑張り過ぎます。

20cmフルレンジ口径が自然体でリスナーを疲れさせません。


アナログレコードのJazz解説で第一人者の田中伊佐資邸での丸SP。

本格設定で試聴していただきました。「鳴りっぷりが良い」との嬉しい評を頂きました。

背後のJBL 38cm+ホーン型 3Wayは17年前にウッドウイルが製作納品した作品です。


2024年2月17日土曜日

田中伊佐資邸へ納品スピーカーメンテナンスに

 ウッドウイル製作の過去最高品質+最大規模のJBL38cm3Wayシステム。

搭載ユニットの不調で田中氏 / Stereo誌編集長 / 私と3人で原因解明します。









何故私かと言いますと搭載JBL1500ALウーファーは10数Kg有り、

落し込み加工していますので素手では取り外す事が出来ません。

専用の治具を持ち込んで1500ALを取り外す事になります。













1500ALは20年経過していますのでその間にメンテナンスやグレードアップを

施しており、今回はオリジナルに手を加えた部分の不調が原因と思われますが、

完全解決には諸事情で初夏まで待つ事となりました。

合間にウッドウイルの新作オープンバッフル方式20cmフルレンジ+サブウーファーの

2.1chシステムを持ち込んでの試聴をお願いする事となりました。
















真正面からガチで聞ける品質を保ちつつ小型で愛くるしいデザイン。
音楽で部屋を満たし、疲れない音質でイージーリスニングを。
小型羽根の扇風機で涼もうとすると回転を上げる事となり風当りします、
大きな羽根で低速で送る風は優しく疲れません。
前後に音が漂うオープンバッフル方式で20cm口径、音像が小さくなりません。
エンクロージャー不要で置き場所を選びません。
両氏に開発意図と音質に賛同していただく事ができました。


2024年1月9日火曜日


前回紹介した10cm口径フルレンジユニットに低音ユニットと高音ユニットを追加する

スピーカーシステムの補足です。


小口径フルレンジで足りない低域。

小口径でも物理的に難しい高域再生を高音ユニットで補完。


画像の高音ユニット1種、フルレンジ(中音)ユニット2種、低音ユニット2種の

4種類の組合せで対応を考えたシステムです。


各ユニットの受持ちは図のデバイディングネットワークが行います。

フルレンジはパワーアンプから直接接続して全帯域を受け持ちます。

高音は7~10KHz以上を受け持ちます。

低音は300~600Hz以下を受け持ちます。

強調せず自然に組みますので慎重な調整が要求されます。


ネットワークに中域用の回路を用意すれば、

後から本格3Wayに変更できます。

高音/低音ユニットの未接続とすればフルレンジとして動作します。

詳しい方はウーファーがパッシブラジエーター動作すると解りますが、

蓋を用意する事も出来ます。


受注製作ですのでお客様の多用な使い方を見て対応して来ました。

こんなシステムの提案は如何でしょうか。



2023年12月26日火曜日

10cm口径フルレンジユニットに低音ユニットと高音ユニットを追加して、

ユニットも選択出来て好みの音質を選べる疑似3Way構成スピーカーシステムの提案です。


10cmフルレンジユニットの疑似3Way採用の目的とは?

私は中学の頃から10、12、16、20cm口径のフルレンジを自作して聞いて来ました。

38cmダブルの5Wayホーン型と言う所まで行き着いて、最近は20cmフルレンジの

世界最高峰のユニットで聞く事が多くなりました。

その経験から10cmで聞く安らぎとまとまり感は秀逸ですが、音色の種類を多くは

選べ無い事、小さいですから低音は控えめで、スケール感は望めません。

我慢している自分を意識せざるを得ない事も時々あります。

構造上の特性から冴えわたる高音、繊細な高音、重さの有る高音なども望む事は

難しいと思います。10cmフルレンジユニットの良さを生かしながら、

足りない部分をさりげなく補って聞けるシステムが有っても良いのでは?

そんな発想から、小型スピーカーの注文に答える方法としてこの方式を既に幾つも

製作して、お客様にご満足いただいています。

このシステムはオプションでフルレンジとして聞く事も出来ます。

本格的なチャンネルデバイダー(アナログでもデジタルのマルチアンプでも)を用い、

フルレンジの低域再生の負担を減らし、中低域から5KHz位までのスコーカーとしての

能力を高めて3Wayで聞く事も出来ます。

お客様の希望の構成次第で変化させる事が可能です。


エンクロージャーはハイエンド機に採用している高音質なバーチ合板を積層型ラウンド

エンクロージャー構造で用います。積層型ラウンドエンクロージャーの製作難易度は高く

材料も4倍使う為に新規製作では大変高価になりますが、10cm口径対応可能な2ペア分の在

庫材料を用いる事で価格を抑えた提案が可能です。2ペア分の限定品です。

.10cmフルレンジは(A,Bを選んで下さい)

 A.ペーパーコーン+フェイズプラグ、ジャンルを選ばないオールラウンダーユニット 

   再生帯域 75Hz~8KHzでツイーターには6~8KHz程の高域を受け持たせます。

 B.グラスファイバーコーン+フェイズプラグ搭載の自然な高忠実度再生ユニット 

   再生帯域 72Hz~20KHzでツイーターは10KHz以上の高域を受け持たせます。

 .フルレンジユニットは特徴を生かす為にフィルター無しで直接駆動します。


.10cmウーファーは(総合で60Hz程度再生可能と予測)A,Bを選んで下さい。

 A.カーボンファイバー振動板採用の落ち着いた低音再生ユニット。

   再生帯域 69Hz~5.5KHz(仕様書)で300~600Hz以下を受け持ちます。

 B.セラミック振動板で最低域まで過渡応答に優れた稀な構造のユニット。

   再生帯域 74Hz~8KHz(仕様書)で300~600Hz以下を受け持ちます。

.ツイーターは

 2ペア共通でネオジウム磁石、ベリリウム振動板採用の高忠実度ユニット。 

 再生帯域 1.5KHz~40KHz(高域再生と言うより臨場感や定位向上を狙う)

.エンクロージャーは

 エンクロージャーはバーチ合板(ユーラシア産樺の樹種100%の合板)で積層合板による

 ラウンド構造。回析効果による音場感損出、定在波低減用吸音材充填による躍動感と

 エネルギー感の損出を防ぎます。積層ラウンド形状板1枚の製作工程は、

 直方体エンクロージャー1台の製作工程と同程度で積層ラウンド形状板はこの製品で

 片チャンネル15枚必要となります。材料も4倍必要なのが高価な理由ですが、

 高音質を得る為には必要な工程とコストと考えています。

 現在ウッドウイルで製作するエンクロージャーの殆ど100%がラウンド構造、

 お客様に良く理解されている証と思います。

 .構造:バスレフ型ラウンド形状 10cm口径フルレンジ+疑似3Way構成

     内容積約10L / 背面バスレフポート / バナナ対応端子

 .外形寸法(慨寸):巾170 / 高410 / 奥260 mm (突起物含まず)

 .オプション:スパイク脚 / サランネット / 希望により通常3Way対応可能

        塗装(下記参照)

その他詳細はメールにてお問い合わせください。

woodwill@po5.lcv.ne.jp


積層合板によるラウンドエンクロージャーの構造参考画像です。













仕上げ塗装は(下記画像参照)

.無塗装: お客様にて塗装(上記画像の様)

.オイルフィニッシュ塗装:クリアー透明塗装(左画像)着色も可能

.標準塗装 :吹付着色ウレタン塗装(色、艶、指定可、耐候性高く美しい)右画像


以上です。

2023年12月25日月曜日

10cm口径フルレンジとLo+Hiユニット追加の疑似3Way構成 スピーカーの提案

10cm口径フルレンジ+疑似3Wayユニット構成と貴重なエンクロージャー材を用い、

解像度が高くアコーステック楽器再生に適したシステムを提案させていただきます。

この構成での製作はこの作品1ペア限定となります。

内容積約10Lのエンクロージャーにお気に入りの10cm口径ケブラー振動板のフルレンジを

メインに搭載します。低域は85Hz程度迄伸びていますが、充分では有りませんので

癖の少ない制動の効いたコーテッドペーパーコーンのウーファーを追加して小型ながら

60Hz程度迄の再生能力を持たせます。

高域は15KHz迄再生出来て不足は有りませんが、高域を伸ばすと言うよりも聴感上の

音場感や定位確保目的でネオジウム磁石リボン型ツイーターで40KHz迄再生します。

フルレンジはフィルター無し駆動、サブウーファーとスパーツイーターを追加搭載する

特殊な構成ですが、要となる中域の音色を最重要視した構成です。

ユニットは長い実績の有る社の高性能製品を採用します。

エンクロージャーは樺の無垢材100%の曲面成型合板でラウンド構造とします。

回析効果による音場感損出と定在波低減に吸音材用いて躍動感やエネルギー感を失う

事が少ない構造を採用しています。ウッドウイルがこの樺の無垢材で曲面成型合板を

内製化したのは約15年前ですが、経年変化での劣化を確認する為に敢えて暴れる事を

承知で未組立で観察していた材料を用いて製作致します。掲載画像の様に製作時と同じ

状態維持で製造工程の正しさを確認、充分過ぎる程に乾燥熟成した極上の材料です。

特に弦やピアノ、木管などを美しく再現できるでしょう。

当然ですが全てに高い再生能力を備えた小型スピーカーです。

 .構造:バスレフ型ラウンド形状 10cm口径フルレンジ+疑似3Way構成

     内容積約10L / 背面バスレフポート / バナナ対応端子

 .外形寸法:巾165 / 高410 / 奥250 mm (突起物含まず)

 .オプション:スパイク脚 / サランネット / 希望により通常3Way対応可能

詳細はお問い合わせください。

woodwill@po5.lcv.ne.jp


曲面成型合板によるラウンドエンクロージャーの構造参考画像です。


仕上げは無垢材のツキ板を張って吹付式ウレタン2液式塗装となります。
ツキ板の樹種と色は打合せで決まります。下記は仕上がり見本でアメリカンチェリーです。

2023年11月24日金曜日

アシダボックス 16cmフルレンジ GP-HF1に終の棲家見つかるか。








1950年代後半発売の知る人ぞ知る隠れた名器。

振動板(振動系実効質量)が極端に軽く軽やかな音色で低音も出る。

当時のダイヤトーン610シリーズの半分の重さです。

仮のエンクロージャーに納めていて何とかしたいと願っていたオーナー様。

ウッドウイル放出中の16cm口径に適したエンクロージャーに気が付かれました。

バーチ合板積層バーチ合板ラウンドエンクロージャーで現代仕様のユニットなら

3ペア分有るのですが、試行錯誤の結果2ペア分使ってトールボーイスタイルに。

十分な内容積確保し、吸音材無しの躍動感、音場感、MGESによる高分解能。

噂にたがわぬ音出しに成功し、互いにやったねの笑顔がこぼれたシーンです。

加工済みの在庫のエンクロージャー材料なので仮組で内容積やバスレフのチューニング

を確認しながら試聴できると言う稀有な機会でした。

オーディオも音楽にも造詣が深く、改造済みのレコードプレーヤー持参で、

1900年代後半の楽曲を楽しまれていました。